中小企業庁 東京都よろず支援拠点コーディネーター
㈱ファイブ・スター 代表取締役
中小企業診断士 金綱 潤
「90歳何がめでたい」「残念ないきもの事典」「蜜蜂と遠雷」「日本一楽しい漢字ドリル うんこ漢字ドリル小学1年生」・・・これは日本出版販売㈱発表の、昨年のベストセラー本の順位です。因みに年度後半からヒットした『漫画君たちはどう生きるか?』(マガジンハウス)は、18位でした。ここ数年、中小企業庁さんの委託事業のお陰か年間、400社位の事業者さんの販路開拓やPR、補助金活用等の支援に携わらせて頂いています。このプロセスの中で様々な気づきや学びがあり日々、感謝しています。そして多く事業者さんが売上増加や承継完了、販路獲得等の具体的成果を上げる支援が出来ました。そうした具体的成果を上げた事業者さんの共通点で特徴的なことは「今までにない新しさがある」という点です。
1:「今までにない新しさの」ある事例
例えば、横浜市の㈱采香食品(中華食品の加工事業)者さんは、新たに女性顧客層のヘルシー&グルメニーズを取り込むために自社の春巻きの皮の部分に、農業者との連携により、三浦大根の皮を自社の加工技術と農業者の栽培技術を上手に融合させ食感と旨味を増加させる計画を構想され、補助金採択を得、5年間通算30,000千円の新事業推進に必要な原資を獲得し見事、事業化、販路開拓に成功されました。
足柄上郡にある井上酒造㈱さん地域で採れるブランドフルーツ(湘南ゴールドと片浦レモンの中で、品質は良いものの形状が出荷基準に満たないために売れなくなっている果物を各々、搾汁し、自社の本醸造酒と独自で編み出した黄金比に従いミックスリキュールに仕上げ近隣の箱根の観光地のニーズを取り込むことで売上を安定的に確保する計画を作り、補助金採択と事業の黒字化に成功されました。こちらも同額の補助金を獲得されました。
2:「新規性とは」
その一方、多くの経営者の方から相談されるのは、「今、何が流行っているの?」「何を提供すれば儲かるのか?」というお尋ねです。表題の新規性という言葉は、多くの補助金施策の採択基準で採り上げられる言葉ですが、その意味は独自のノウハウや技術、魅力を活かす考察もなく、単なる模倣では事業性(売れない)という意図です。
例えば、平成30年2月7日に中小企業庁から公表された「地域産業資源活用事業の公募要領では、6つの計画評価の基準が示されていますが、その内の一つに「事業の先進性・優位性・モデル性」という言葉があります。その意味するところは、下記2点です。
・開発または販路開拓を行う商品・サービスに独自性があり、既存・競合商品等と差別化が図られており、地域ブランド化により地域経済への波及効果が見込まれるか。
・全国的なモデル事例となり、他の事業者の取組の参考・励みになり得るか。
という意味です。
つまり単なる奇抜さを狙うのではなく、個々の事業者さん、地域の中にある「独自の魅力」を掘り下げていく仕事が我々支援者に求められていると認識しています。
その一方、独自の魅力とは事業者さんだけを診ても分かるものではなく、事業者さんを取り巻く、顧客、地域、競合、業界構造等を多面的に理解しないと、事業者さんの本当の魅力を引き出すことは難しいことだと理解しています。
3:事業者さんに潜在する魅力を引き出す支援
隠れた事業者さんの魅力を引き出し、事業者さんが今よりもステージアップするための
プランを練り上げるためには、我々、支援サイドの工夫や研鑽が重要になると認識しています。日々進化する市場のニーズや兆候にアンテナを立てながら、事業者さんとの会話で得られた様々な情報や意向、現場を視察する中での気づきや関係する行政や支援機関、金融機関の皆様からの声等を上手に組み立てていく努力が必要になると感じています。
これから何か新しいビジネスを軌道に乗せたいと思われる方居られれば、是非、気軽にお尋ね下さい。http://five-star.xyz/
ご一読有難うございました。以上