中小企業庁 東京都よろず支援拠点コーディネーター
㈱ファイブ・スター 代表取締役
中小企業診断士 金綱 潤
そもそも“補助金って何だろう?”
そもそも“補助金制度”とは何なのでしょうか?実は多くの方がこのことを理解されていませんのでこの点についてご説明します。補助金とは、行政が政策目標の実現のために実施するもので、個々の事業者支援のために実施するものではないことを先ずご理解下さい。 行政サイドが各々の政策目標の達成のために、その課題解決に向けて、事業者の事業活動を促進しようとする狙いがあります。政策目標とは例えば交通渋滞解消や省エネ促進等、様々です。従って事業者の皆様には、各々の目的にあった事業を、事業者のみなさまに、広くあるいは的確に取り組んでもらうことがとても重要になります。いわば、税金の再分配の仕組みなので、経営資源が乏しい事業者さんが対象になることが多いので中小企業の方々には、重要な仕組みと言えます。また補助金制度と似たニュアンスで使われる言葉で“助成金制度”という言葉があります。しかしながらこの2つは財源こそ、同じ“税金”ですが、性質は全く違うものなので下表に整理しておきました。確認してみて下さい。
(1) 補助金と助成金の違い
上表で示したようにそもそも補助金と助成金ではお金の性質が違います。お金の面では○補助金・・・採用(採択)件数や予算が予め決まっていて、申請後の審査もあり採用(採択)とその後の事業活動内容の審査を受け、認められた事業者のみがお金を受け取れる○助成金・・・予め決められた要件を満たせば、原則、すべての事業者が受給出来る。 以上のことから考えると助成金制度の方が活用しやすいように思われますが、制度特徴上、助成金制度は種類も少なく実施時期や実施目的も限定性が高いのが特徴です。
(2) 補助金活用の進め方
私はご縁あり3年前より国(中小企業庁)の施策である東京都よろず支援拠点のチーフコーディネーターをしております。毎年2,000社を超える事業者の方々の様々な経営相談をコーディネートする仕事なので多くの中小企業の方々とお話しする機会があります。(1)でも触れたように、補助金制度は個々の事業者の事業計画毎の支援金ではないことをお伝えしています。補助金制度は、あくまでも税金が原資なので、大切なことは、先ずは個々の事業者さんが自社の事業計画をしっかり立てた上、その計画目標達成ための具体的課題を、体系化するようにご支援しています。その上で個々の課題の解決に向けてどのような方法が有効なのかを一緒に検討しているようにしています。 要するに、中小企業事業者さんが補助金制度と付き合うためには、自社の経営課題を客観的に分析して適切な課題を見い出しながら、どんな補助金制度をどんなタイミングで活用すべきか?について事業者さんの事業計画全体の中で平素から検討していくことが大切なことになります。また、今後の動向把握の観点からは、平成29年度経済産業政策の重点http://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2017/pdf/00.pdf等を閲覧頂き、今後どのような政策課題に重点が入れられているのかをチェックされることをお奨めします。 以上