中小企業庁 東京都よろず支援拠点コーディネーター
㈱ファイブ・スター 代表取締役
中小企業診断士 金綱 潤
今回は12/18に発表された平成27年度補正予算案について説明したいと思います。国の考え方を知ることは、今後の事業者さん及び事業者さんのご支援に携わる方々にも有益になると感じたからです。
http://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2015/hosei/pdf/151218_001.pdf
先ずは概要ですが全体で3,897億円の予算です。(内、予備費で996億円)
1:「総合的なTPP関連政策大綱」関連
2:「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連
の2つのパートに分かれ
1については、
1)TPP活用促進、2)「TPPを通じた強い経済の実現」の2つのパートに分かれ、
2については、
1)中小企業等による生産性向上、2)投資促進に依る生産性の革命の実現、3)ローカルアベノミクスの推進、4)その他の4つのパートに整理されています。
この中で事業者の皆さんに特に関連が深いのが2に部分です。2の1)では、
ものづくり・商業・サービス新展開支援に対する補助金に1020億もついています。
これは、中小企業の革新的な新商品・サービスの開発、生産性向上のための設備導入支援を目的にしたものです。これに関しては、ここ数年拡充してきていることから、事業者さんの普段の経営姿勢に反映して欲しいところです。つまり常に自社の商品・サービスのブラッシュアップを図ることを経営計画に落とし込んで頂きたいと言うことです。
又、本予算同様ですが、省エネ設備導入支援を目的とした「中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業」として442億もの予算がついています。
この他にも大きいのが原子力災害による被災事業者の自立支援事業や、廃炉汚染水対策が当然ながら大きな予算が組まれています。これはもっと大きな予算が必要だと思いますが・
そして重要なのが、消費税・軽減税率対応窓口相談事業です。170億もの予算がつきました。
中身は、①制度周知・窓口相談対応、②レジの導入支援、受発注システムの改修支援に大きな予算がつきました。
以上が事業者さんへの直接的に関わる部分ですが、1「総合的なTPP関連政策大綱」関連では、中小企業の革新的な新商品・サービスの開発、生産性向上のための設備導入支援し、海外展開を後押しするためのコンソーシアム(2つ以上の個人、企業、団体等の任意の組合せ)から成る組織構築にも1,000億を超える大きな予算措置が図られました。また、小規模事業者支援体制を強化するために「小規模事業者持続化補助金」の申請・実行に関連する予算として100億、所謂「ミラサポ」の専門家派遣事業にも5億の予算がつきました。
その他には、皮革・皮革製品産業の競争力強化にも133億もの予算がつきました。
以上が概要ですが、今回の補正予算では、引き続き、今までの重点施策の浸透。徹底に
重きが置かれ、地域の稼ぐ力の強化や、農商工連携による海外市場展開にも配慮した点が特徴です。
以上のことを考えると、事業者の皆さんにとっては
『1人で悩まず、先ずは関係機関に相談して、自社の成長工程を「見える化」 してみる』
又、事業者のご支援に当たっている方々には、
『1人で抱えず、多様な知見を持つ支援者のネットワークを創り上げていく』姿勢が大切と感じました。
ご一読有難うございます
以上